午後も半ばになると北北西の風が最も強まり、マングルーヴィ・ビーチの沖の浅瀬は、色とりどりのカイトがゆっくりと回るメリーゴーラウンドのようになります。そこから2kmほど内陸に入ると、ラグーンの水面はぴたりと静まりかえっています。シャトルボートがダウンタウンの黄土色のドームの脇をゆっくりと進み、橋のたもとではトゥクトゥクが客を待ち、光が金色に変わるころ、アブ・ティグ・マリーナではもう誰かが飲み物を注文しています。エル・グーナは紅海で最も整然とした場所で、フルガダの北約25km(16マイル)に、浚渫した水路と埋め立てた島々の上に築かれた私営のラグーンの町です。
始まりは1989年、サウィリス家が何もない海岸で建設に着手したことでした。以来、リゾートというより小さな町に近い存在へと成長しています。公式リストに載るホテルは20軒近く、連なるマリーナ、病院、2つのゴルフコースがあり、旅行者が帰国した後も暮らし続ける住民がいます。そのため、南に長く続くホテル街とはまったく異なる滞在になります。このガイドでは、エル・グーナの町のつくり、車なしでの行き方と町なかの移動、予算別の宿選び、カイトとダイビングの事情、映画祭、陸路でのルクソール行き、そしてベストシーズンを紹介します。
ひと目でわかる基本情報
場所: 紅海沿岸、フルガダの北約25km(16マイル)
空港からの送迎: フルガダ国際空港(HRG)から25〜45分。滞在する島によって異なります
カイロから: 陸路で4〜5時間、または飛行機でフルガダまで約1時間
町なかの移動: トゥクトゥク、ラグーンのシャトルボート、ホテルのバス、自転車。車は必要ありません
ホテル: 2026年秋時点の公表料金で、マリーナの宿の1泊約95米ドルから、最高級の350〜465米ドルまで
カイトサーフィン: マングルーヴィとブザのビーチの浅いラグーン。風が最も強いのは5月下旬から10月上旬
映画祭: 第9回は2026年10月15〜23日に開催。2027年の日程は未発表
ベストシーズン: 3〜5月と9月下旬〜11月
海水温: 2月と3月はおよそ21〜22度(70〜72F)、8月は約28度(82F)
エル・グーナの町のつくり
エル・グーナは、橋で結ばれ、ラグーンが縫うように走る低い島々の集まりで、ほとんどのホテルやヴィラは少なくとも一方が水に面しています。海岸線の長さは何を測るかによって資料ごとに約10kmから18kmまで差がありますが、役に立つ数字はもっと小さなものです。2つの中心地であるダウンタウンとアブ・ティグ・マリーナは、車で約7分しか離れていません。
ダウンタウンは、ヤシの木が並び、カフェや店が集まるタムル・ヘンナ広場を中心に発展しました。日が暮れるとにぎわいを増し、音楽やタンヌーラ・ダンスのショーが行われることもあります。すぐ近くには、複製の彫像やエジプト人画家フセイン・ビカールの作品など90点以上を収める小さなエル・グーナ博物館と、彩色された家々や工芸品店が並ぶ古い住宅地区カフル・エル・グーナがあります。ダウンタウンのホテルは外海ではなくラグーンに面しているので、家族連れや穏やかな水辺を好む人に向いています。
アブ・ティグ・マリーナは町の夜の顔です。ヨット、水辺のレストラン、日没後に満席になるバーが並びます。イタリア人建築家アルフレド・フレダの設計で、あえてヴェネツィア風の外観に仕上げられています。新しいファナディール湾と、1990年に造られた最初のアビドス・マリーナも含むマリーナ網には、全長70mまでのヨットが停泊できるバースが約660あります。船に乗らなくても、夕食後にたいていの人が行き着くのはこの遊歩道です。
フルガダとカイロからの行き方
玄関口はフルガダ国際空港で、1日60便以上が発着し、ヨーロッパからの直行便も多く、主要な首都からはその多くが約4時間です。空港からの距離は、ルートや向かう島によって公表値で約22kmから40kmまで幅がありますが、実際には車で25〜30分、北端のホテルなら45分近くかかります。私たちの専用フルガダ空港送迎は到着ロビーでお出迎えし、料金は定額です。町の提携リムジンサービスは、2026年秋時点で525エジプトポンド(10米ドル弱、約8.50ユーロ)からの送迎を案内していました。
カイロからは、フルガダへの国内線で約1時間、ガララ道路を経由して海岸沿いを下る車なら、首都のどこから出発するかにもよりますがおよそ4〜5時間です。ゴーバスはカイロとエル・グーナのダウンタウンのあいだに1日15便以上を運行しており、最も安い選択肢でありながら十分に快適です。海岸とナイル渓谷を組み合わせるのも簡単です。まだ行き先を迷っているなら、紅海リゾートの比較ガイドでエル・グーナとフルガダ、シャルム、ダハブ、マルサ・アラムを比べています。
車なしでの町なかの移動
この町のタクシーはトゥクトゥクです。3つの会社が運行しており、営業時間は早朝から深夜過ぎまでです。ダウンタウンやマリーナの乗り場でつかまえるか、ホテルに呼んでもらいましょう。運賃はわずかで現金払い、町の端から端へのちょっとした移動ならたいてい数十エジプトポンドで、1ドルを大きく下回ります。報告されている料金にはばらつきがあるので、出発前に運賃を取り決めておきましょう。
シャトルボートがラグーンを渡ってダウンタウンとゼイトゥーナ島を結んでおり、アブ・ティグ・マリーナやニュー・マリーナを巡る英語とドイツ語のガイド付き水上ツアーも運航しています。ほとんどのホテルが独自のバスを走らせ、町内バスも数エジプトポンドで決まったルートを巡り、自転車も簡単に借りられます。車の運転もできますが、ほとんどの旅行者には意味がありません。舗装道路の制限速度は時速60kmで、オフロード走行は禁止されています。
予算別の宿選び
町の公式サイトには、ホテルごとの最低料金が掲載されています。以下は2026年秋時点の最低料金で、クリスマスと年末年始から復活祭、映画祭の週まで、最も混み合う時期はふつうこれをかなり上回ります。
- 約95〜110米ドル:ニュー・マリーナのファナディール・ホテルとモザイク、アブ・ティグ・マリーナのタートルズ・インと3つ星のキャプテンズ・イン。専用ビーチのないマリーナのホテルでは、たいてい近くのビーチクラブを利用できます。
- 約115〜250米ドル:ダウンタウンの家族向けスリー・コーナーズ・リハナ、ダウンタウンのスルタン・ベイとクックス・クラブ、マリーナにある大人専用のスリー・コーナーズ・オーシャン・ビュー、アリ・パシャ、クラブ・パラディシオ、エンシェント・サンズ、そしてメーヴェンピック、シェラトン・ミラマール、シュタイゲンベルガー・ゴルフの大型リゾート。
- 250米ドル以上:ダウンタウンの大人専用カーサ・クック、ザ・チェディ、そして一覧で最も高い約465米ドルのラ・メゾン・ブルー。
アパートメントやヴィラ(専用プール付きのものもあります)は一般的な民泊サイトで数多く見つかり、長期滞在やグループに向いています。ナイトライフを重視するならマリーナに、静けさを重視するならダウンタウンのラグーン沿いのホテルか、敷地内ですべてがそろうリゾートを選びましょう。
ビーチ、ラグーン、島で過ごす1日
ラグーンの水は穏やかで浅く、子どもやパドルボードにぴったりですが、町の規則でプールとラグーンではきちんとした水着の着用が求められます。海のビーチは、エル・グーナではビーチクラブを通じて利用します。アブ・ティグ近くのムーズとマリーナ・ビーチ、ボートで渡る島にあるゼイトゥーナ・ビーチ、マカニとラ・プラヤ、マングルーヴィのズーニ、そして2016年に町初のフルサービスのビーチとして開業したザ・スモーカリー・ビーチです。入場料がかかるところもありますが、まとめて公表されてはいないので、提携していることが多い宿泊先のホテルで尋ねてみてください。
定番の過ごし方は、ボートで沖の島々へ出かける1日です。ギフトゥン諸島のマフミヤは訪問者数を制限しており、2026年半ばには1日パッケージが40〜60米ドルで案内されていました。少なくとも前日までに予約しましょう。私たちのギフトゥン島シュノーケリングツアーも同じサンゴ礁を訪れます。平らで白い砂浜が広がるタウィラ島もお気に入りの島で、カイトサーファーにも人気です。
マングルーヴィとブザでカイトサーフィン
エル・グーナは、カイトサーフィンを習うには世界でも屈指の場所です。理由は単純で、ほぼどこでも足が立つからです。ブザ・ビーチのメインのラグーンは浅く、面積は2平方キロメートル以上あり、水位は潮によっておよそ20〜70cm変わります。難点は、夏、特に満月の前後には数時間水が引いてしまい、全員がリーフの外へ出ざるをえなくなることです。マングルーヴィでは、砂の浅瀬が沖へ数百メートル続いてから深くなります。
風は北北西からのサイドオンショアで、それが失敗を許してくれる理由です。何かあっても、沖へではなく浜のほうへ流されるからです。エル・グーナ・カイトボーディング・クラブにあるウィンドファインダーの観測所の記録(2006年から2026年9月まで)では年間平均風速は12ノットで、この海岸の長期データによれば、最も風が強いのは5月下旬から10月上旬です。最大のセンターの初心者コースは2026年秋時点で465ユーロ(約520米ドル)からで、コースを受けずに道具を借りるには公認のライセンスが必要です。たとえば最大のセンターでは、VDWSのレベル3以上を求めています。エジプトのカイトサーフィン完全ガイドでは、この海岸をソーマ・ベイ、ダハブ、ハマタと比較しています。
ダイビングとシュノーケリングの日帰りツアー
町には5つのダイビングセンターが登録されており、PADI、SSI、CMASのコースを教えています。日帰りボートはフルガダと同じサンゴ礁や沈船へ向かい、毎晩エル・グーナに戻ってきます。そのうち2軒は、体の不自由なダイバー向けのプログラムとボートを用意しており、この海岸ではまだ珍しい存在です。2026年半ばには体験ダイビングが約60〜80米ドルから案内されていました。私たちのフルガダ体験ダイビングは、ライセンス不要の気軽なプランです。
エル・グーナは、グバル海峡と、ひとつのリーフの周りに数隻の船が沈む沈船リーフ、アブ・ヌハスへの拠点として最適です。カーレス・リーフは潜り慣れたオープンウォーター・ダイバー向け、スモール・ギフトゥンのドロップオフやキャニオンは経験豊富なダイバー向けです。この海域を代表する大型沈船シスルゴーム号へは、ここからボートで丸1日がかりとなり、アドバンスのライセンスが必要です。より広い範囲の海岸については、紅海のダイビングとシュノーケリングのガイドで紹介しています。
エル・グーナ映画祭
2017年以来、この町ではアラブ世界で最も注目度の高い映画祭のひとつが開かれています。第9回は2026年10月15日から23日まで開催され、映画祭広場と、アブ・ティグ・マリーナからダウンタウンにかけての会場を中心に、世界各地の77作品が上映されました。
参加は登録制で、業界関係者、報道、学生、映画ファン、住民といった区分があり、一般上映のチケットの一部は映画祭の公式チャンネルで販売されます。これまでの流れどおりなら第10回は2027年10月になりますが、日程は年の途中で発表されるので、航空券を予約する前に確認してください。日程が決まれば2027年エジプトのイベントカレンダーに掲載します。映画祭の週はホテルがすぐに埋まり、町がにぎわう数少ない時期のひとつです。
現地ならではのヒント:過ごし方に合わせて島を選ぶ
エル・グーナは小さな町ですが、どこに泊まるかは思っている以上に旅を左右します。カイトサーファーは、マングルーヴィとブザに近い北端に泊まりましょう。自前のビーチにカイトセンターを持つホテルもいくつかあります。毎晩歩いて夕食に出かけたい人には、アブ・ティグ・マリーナが合っています。家族連れは、部屋の外に浅いラグーンが広がるダウンタウンのホテルがいちばん満足できるでしょう。どれもタクシーで少し移動すれば解決できますが、1週間となると歩く距離の差は積み重なります。
ルクソールへの日帰り旅行
ビーチで過ごす1週間と好対照をなすのがルクソールですが、エル・グーナから行くのは一大事です。フルガダからルクソールまでは東方砂漠を越えて片道4〜5時間かかり、エル・グーナからだとさらに30分加わります。そのため日帰り旅行は14〜16時間の長い1日になります。夜明け前に出発し、西岸の王家の谷とハトシェプスト女王葬祭殿、東岸のカルナック神殿を巡り、夜遅くに戻ります。2026年には、乗り合いのミニバスツアーが1人40〜70米ドルで案内されていました。
日帰りでも十分に成り立ちますし、私たちのフルガダ発ルクソール日帰りツアーなら、プライベートで自分のペースで巡れます。とはいえ2日の余裕があるなら、私たちはほぼ必ず、片道のフルガダ〜ルクソール送迎とナイル川沿いでの1泊をおすすめします。そうすれば、西岸を真昼ではなく朝の涼しいうちに見学できます。
エル・グーナのベストシーズン
町の公式案内では春と秋が最も人気の季節とされており、数字もそれを裏付けています。この海岸一帯の長期平均では、日中の最高気温は1月が約22度(72F)、4月が30度(86F)、7月と8月が37〜38度(99〜100F)、10月が32度(90F)で、1月の夜は11度(52F)前後まで下がります。雨はめったに降りません。砂漠から熱く砂ぼこりを含んだハムシンが吹きつけることがあり、最も多いのは4月で、1日ほど海が濁ります。
- 3〜5月:暖かい日が続き、はじめは海が冷たく、夏に向けて風が強まっていきます
- 6〜9月:暑く、カイトに最も安定した風が吹き、海水温も最も高くなります(8月で約28度、82F)
- 10月と11月:私たちのいちばんのおすすめ。海は温かく、暑さはやわらぎ、映画祭もあります
- 12〜2月:冬の日差しに涼しい夜。海水温は約21〜24度(70〜75F)で、ウェットスーツが欲しくなる人も多い時期です
冬はヨーロッパからの旅行者のピークシーズンなので、12月と1月は6〜8週間前までに予約しましょう。エジプトの月別天気ガイドでは、この海岸と国内のほかの地域を比べています。
知っておくとよいこと:お金、服装、町のルール
エル・グーナの通貨はエジプトポンドで、ユーロやドルを受け付ける店も多いものの、ポンドで払うほうがたいてい安く済みます。ATMはすぐに見つかります。ホテル、バー、マリーナのレストランでは広くアルコールが提供されており、服装もエジプトの基準からすれば自由です。町には独自の病院があり、警備チームが24時間巡回し、騒音規則によって大音量の音楽は平日は深夜0時、週末は午前1時までと決められています。オフロード走行は禁止されているので、砂漠へのお出かけは許可を受けた業者と一緒に行きます。
滞在の計画を立てる
エル・グーナは、エジプトのほとんどの場所よりもゆったりしたペースで過ごすほど楽しめる町です。4〜5泊あれば、ラグーンを楽しみ、ボートで島へ渡り、海の中やカイトで丸1日過ごすのに十分です。旅の始まりにカイロ、終わりにルクソールを組み合わせるのが自然で、道路網を考えると、来た道を戻るより片道ルートのほうが簡単です。
空港への出迎えからプライベートのルクソール延泊まで、旅の手配をお任せいただけるなら、日程、旅行されるメンバー、ビーチでの日々をどれくらいアクティブに過ごしたいかをお知らせください。ぴったりのプランをご提案します。お問い合わせページから、いつでもスタッフに連絡できます。






