Christmas in Egypt: Coptic Feast and New Year
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文化

エジプトのクリスマス:コプト正教の降誕祭と年越し

エジプトのクリスマスは2回。ホテルでは12月25日、コプト教徒は43日間の断食を経て1月7日に祝います。ファッタ、真夜中の典礼、年越しのガラディナー、繁忙期の料金まで解説します。

2026年11月1日11 分で読める

1月6日の夜、世界のほとんどがすでにクリスマスの飾りを片づけたころ、オールドカイロの教会は扉口まで人であふれます。家族連れは新しい服を着てやって来て、子どもたちはろうそくを手にし、ハンギング教会(アル・ムアッラカ)の中では、神殿の壁に刻まれた言葉の流れをくむ言語で、コプト語の聖歌が響きわたります。真夜中を過ぎたころに典礼が終わると43日間の断食が明け、街じゅうのアパートの窓から、ニンニクと酢、じっくり煮込んだ肉の香りが漂ってきます。

これがエジプトのクリスマスで、多くの旅行者が知るクリスマスのほぼ2週間後にやって来ます。この国ではクリスマスを2回祝います。ホテルやクルーズ船、外国人の信徒のあいだでは12月25日、エジプトのコプト教徒のあいだでは1月7日で、この日は国の祝日です。そこにナイル川のディナークルーズから砂漠のキャンプファイヤーまでさまざまな大晦日が加わり、12月下旬から1月上旬までの2週間は、エジプトで1年のうち最も混み合い、最も料金が高くなる時期になります。このガイドでは、2つのクリスマス、大晦日の過ごし方、開いている場所と閉まる場所、そして2026年から2027年初めにかけての旅の手配について紹介します。

ひと目でわかる基本情報

西方教会のクリスマス: 2026年12月25日(金)。エジプトでは通常の日で、祝日ではありません

コプト正教のクリスマス: 2027年1月7日(木)。国の祝日

コプト正教のクリスマス・イブ: 1月6日(水)。典礼は真夜中近くまで続きます

断食: 2026年11月25日から43日間。守る人は肉、鶏肉、乳製品を断ちます

教皇の典礼: カイロの東約45km、新行政首都のキリスト降誕大聖堂

大晦日: 2026年12月31日(木)。1月1日はエジプトの週末にあたる金曜日です

繁忙期の料金: 12月23日ごろから1月7日ごろまで。秋の料金より30〜50パーセント高いのが一般的

天気: 最高気温はカイロで20度(68F)近く、ルクソールで約24度(75F)。夜はどこも冷え込みます

予約: 年末年始の週のクルーズとホテルは4〜6か月前に

2つのクリスマスがある国

日付が2つあるのは暦のためで、降誕の物語をめぐって意見が分かれているからではありません。エジプトで群を抜いて最大のキリスト教共同体であるコプト正教会は、古いコプト暦に従って祝祭を祝います。コプト暦は旧来のユリウス暦と歩調を合わせて進み、現在は日常生活で使われるグレゴリオ暦より13日遅れています。そのため、コプト暦のキアク月29日にあたるクリスマスは1月7日になるのです。キリスト教徒はエジプトの人口のおよそ10パーセントと一般に推定され、その大多数はコプト教徒で、中東最大のキリスト教共同体といわれることが多い人々です。

旅行者にとっては、おなじみのクリスマスで始まり、エジプトならではのクリスマスで終わる祝祭シーズンになる、というのが実際のところです。12月下旬のエジプトのクリスマスは、ホテルのロビーにツリーが飾られ、夕食時にキャロルが流れる、世界のどこかの暖かいリゾートのクリスマスとよく似ています。1月7日のコプト正教のクリスマスは家族と教会の祝祭で、通りではあまり目につきませんが人々の心に深く根ざしており、目にするならこちらのほうが興味深いといえるでしょう。

12月25日:旅行者が過ごすエジプトのクリスマス

エジプトでは、12月25日はふつうの平日です。ただし2026年は週末の始まりである金曜日にあたります。博物館、遺跡、店、レストランは通常どおり営業します。カイロ、ルクソール、紅海のリゾートの大型ホテルや国際チェーンのホテルはツリーを飾り、12月24日と25日には特別ディナーを用意し、子ども向けの催しを開くこともよくあります。カイロの高級モールやザマレク、ヘリオポリスの一部でも飾り付けが行われ、近年は季節のツリーやイルミネーションが、キリスト教徒の家庭以外でもすっかりおなじみの光景になりました。

主にカイロ在住の外国人が集うカトリック、聖公会などの教会では、12月24日と25日に礼拝が行われます。ザマレクのオール・セインツ大聖堂とダウンタウンの聖ヨセフ・カトリック教会がよく知られています。予定は変わることがあるので、数週間前に教会に直接礼拝の時間を確認してください。ナイル川クルーズでは船上でお祝いのディナーがあり、乗組員が即席で扮したサンタクロースが現れるかもしれません。

コプト正教の断食とキアク月

敬虔なコプト教徒にとって、クリスマスは節制から始まります。降誕祭前の断食は11月25日から1月6日の夜までの43日間続き、これを守る人は肉、鶏肉、卵、乳製品を断ちますが、魚はたいてい許されています。43日というのは伝統的な40日に3日を加えたもので、10世紀にモカッタムの丘が動いたという奇跡を記念して加えられました。12月から1月初めにかけてのコプト暦キアク月には、教会で聖母をたたえる聖歌を歌う長い徹夜の祈りが、土曜の夜ごとに行われます。

旅行者が断食に気づくのは、主に食べ物を通じてです。レストランやパン屋は「シヤーミー」と呼ばれる断食用の料理を宣伝し、コシャリ、フール・メダメス、ターメイヤといったエジプトの定番料理はもともとヴィーガンです。ヴィーガンや乳製品を避けている人にとって、12月はエジプトで1年のうち最もおいしく食事がしやすい月です。探す価値のある料理はエジプト料理のガイドで紹介しています。

1月6日と7日:コプト正教のクリスマス・イブと降誕祭

1月6日、多くのコプト教徒は午後の半ばから典礼が終わるまで完全に断食します。中心となる礼拝は、教皇タワドロス2世が執り行う教皇典礼です。何十年ものあいだ、この典礼は1968年に献堂され、今もコプト教皇の座所であるアッバーシーヤの聖マルコ大聖堂で行われていました。近年は代わりに新行政首都のキリスト降誕大聖堂で執り行われています。2019年のコプト正教のクリスマス・イブに開堂したこの大聖堂は、約8,200人の信徒を収容でき、中東最大の大聖堂とうたわれています。この典礼に出席した初のエジプト国家元首であるシーシー大統領は、2015年から毎年祝辞を述べに訪れており、礼拝はたいていエジプトのテレビで中継されます。

この典礼は厳重な警備と入場制限が敷かれる国家行事で、ふらりと参列できるものではありません。コプト正教のクリスマスを体験したい旅行者には、地元の教区教会のほうがはるかに向いています。ハンギング教会やアブ・セルガ教会をはじめとするオールドカイロの歴史ある教会でも、夜を通してそれぞれ典礼が行われます。礼拝は長く、ほとんどがアラビア語とコプト語です。肩と膝を覆う控えめな服装で、早めに到着し、どの教会の周辺でも警備が厳しいことを覚悟しておきましょう。その夜に旅行者を受け入れている地元の教会はどこか、ガイドやホテルに尋ねてみてください。私たちのオールドカイロとコプト地区のツアーは、この日程に合わせて手配できます。

1月7日の降誕祭当日は、家族のための日です。人々は新しい服を着て親戚を訪ね、子どもたちにちょっとしたお小遣いを渡し、「イード・ミーラード・マギード(eid milad magid)」とあいさつを交わします。官公庁、銀行、キリスト教徒が営む多くの店は休みになりますが、遺跡、博物館、レストラン、ホテルは開いています。

ファッタ、カハク、クリスマスの食卓

断食明けの最初の食事は、禁じられていたものすべてを中心に組み立てられます。代表的な料理はファッタです。トーストしたり揚げたりしたパンとご飯を重ねてスープに浸し、ニンニクと酢の効いたトマトソースをかけ、ゆでてから焼き色をつけた牛肉や羊肉の塊をのせたものです。濃厚でお腹にたまり、大勢で食べるのがいちばんです。

そのまわりに、6週間断っていたほかの食べ物が並びます。卵、鶏肉、チーズ、バターです。粉砂糖をまぶしたバターたっぷりのショートブレッド風クッキーで、デーツやはちみつ、ナッツが入っていることも多いカハクは、どの食卓にもどのパン屋のショーウィンドウにも並びます。イスラム教徒のエジプト人がイードに焼くのと同じクッキーです。1月の第1週にカイロにいるなら、評判のよいパン屋でカハクをひと箱買うのが、この季節を味わういちばん手軽な方法です。

ご存じですか:聖家族の逃避行の道

コプトの伝承によれば、マリアとヨセフ、そして幼子イエスはエジプトへ逃れ、3年以上にわたって国内を旅しました。教会は、北シナイからアシュートまで11の県を通る約3,500kmのルート沿いに、およそ25か所の立ち寄り地を定めています。観光・考古省は長年をかけてこれらの場所を修復し、巡礼路として紹介してきました。

そのうちいくつかはカイロから簡単に行けます。オールドカイロでは、アブ・セルガ教会が聖家族が身を寄せたとされる地下聖堂の上に建ち、ハンギング教会はローマ時代のバビロン要塞の門楼の上にあります。マアディの聖母教会は、伝承で聖家族が南へ向かう舟に乗ったとされる場所に建ち、マタレイヤの聖母の木は聖家族に木陰を与えたといわれています。さらに足をのばすと、アレクサンドリアへ向かう道沿いにワディ・ナトルーンの修道院群があり、ミニヤのゲベル・エル・テイルとアシュート近郊のデイル・エル・ムハッラクは主要な巡礼地です。コプト地区カイロのガイドと砂漠のコプト修道院のガイドで詳しく紹介しています。

大晦日:2027年を迎える5つの過ごし方

エジプトの大晦日は、街頭のお祭りというよりホテルやリゾートで過ごす行事で、どう過ごすかは滞在する場所によって変わります。

  • ナイル川沿いのカイロ:音楽とタンヌーラの踊り手が出演するディナークルーズが定番です。通常の夜のクルーズは真夜中よりずっと前に船着き場へ戻っていることがあるので、12月31日の真夜中に実際に航行しているかを確認しましょう。私たちのカイロのナイル川ディナークルーズは、この夜に合わせて時間を調整できます。
  • カイロのホテル:川沿いの5つ星ホテルでは、バンド演奏とカウントダウン付きのガラディナーが開かれます。過去にはナイル川の上空に花火が見えた年もありますが、打ち上げが保証されているわけではありません。
  • ナイル川クルーズ:12月31日をまたいでルクソールとアスワンのあいだを航行する船では、たいてい船上でガラディナーが開かれ、多くはエドフ、コム・オンボ、アスワンのいずれかで一晩停泊します。
  • 紅海:最もにぎやかなのはシャルム・エル・シェイクで、ナアマ・ベイやシャークス・ベイ周辺の娯楽施設が盛り上がります。フルガダとエル・グーナでは、リゾートのパーティーとバーやレストランの両方が楽しめます。リゾートの比較は紅海のページをご覧ください。
  • 砂漠:白砂漠やシナイ半島のベドウィンキャンプで、キャンプファイヤーを囲み、炭火で調理した夕食をとり、満天の星を眺めます。ロマンチックで忘れられない体験になりますが、夜は氷点近くまで冷え込むので、甘く見ないでください。

ピラミッドでの公開イベントを当てにして計画を立てるのはやめましょう。ギザ台地は日中に訪れる場所で、正式な発表がない限り、12月31日の真夜中に何かが行われると考えるべきではありません。

警告:ガラディナーの追加料金と最低宿泊日数

エジプトのクリスマスや年末年始で最もよくある嫌な驚きは、自分で選んだわけではないディナーの請求書です。ホテルやナイル川クルーズ船のなかには、12月24日や31日の夜に滞在する全員にガラディナーへの参加を義務づけているところがあり、その料金が最初に提示されるパッケージ料金に含まれているとは限りません。2026年末の年越しの追加料金は、飲み物代を除いて1人約60〜220英ポンド(およそ80〜290米ドル)と提示されています。

予約の前に3つのことを尋ねましょう。ガラディナーは必須か、何が含まれるか、すでに料金に含まれているか。子ども料金と、祝祭期間の夜に一部のホテルが設ける最低宿泊日数の規定についても確認してください。150英ポンドのディナーが義務づけられた安い部屋は、それがない高い部屋より簡単に高くついてしまいます。

年末年始の2週間の手配

エジプトの1年で、あらゆるものが売り切れるのはこの時期だけです。クリスマスと年末年始のクルーズの客室、カイロとルクソールを結ぶ寝台列車、アスワンとアブ・シンベルへの国内線、ルクソールの立地のよいホテルは、11月までに満室・満席になることがよくあります。12月20日ごろから1月7日ごろまでの旅行なら、私たちは4〜6か月前に予約し、それより遅い予約は運次第と考えます。

行列もそれ相応だと覚悟しておきましょう。カルナック神殿、王家の谷、アブ・シンベル、ギザ台地、大エジプト博物館は1年で最も混み合う日々を迎え、大エジプト博物館の人気の午前の入場枠はかなり前に売り切れることがあります。朝早く動き始め、閉館前の最後の2時間を活用し、1日は予定を入れずにおきましょう。この時期は船やホテルのスタッフが少し多めのチップを期待しているので、小額紙幣を持ち歩いてください。相場はお金とチップのガイドで説明しています。天気は安定してよく、冬のエジプト旅行ガイドで紹介しているように、朝は冷え込み、日が暮れるのは早めです。

現地ならではのヒント:1月7日まで滞在を延ばす

この季節にいちばんお得に旅するコツは、年明け前ではなく、年明け直後に旅を始めることです。1月2日か3日ごろから料金が下がり始め、ヨーロッパからの人出も減りますが、コプト正教のクリスマスにはまだエジプトにいられ、断食料理やカハク、1月6日の教会の礼拝にも立ち会えます。1月2日ごろから12日ごろまでの旅なら、本物のエジプトのクリスマスに出会え、最も高い追加料金を避けられ、神殿が静けさを取り戻すころに旅を終えられます。

私たちのおすすめ:年末年始をどこで過ごすか

小さな子ども連れの家族には紅海がいちばんです。暖かい日差し、プール、気軽なクリスマスランチがあり、10歳未満の子どもが退屈する長い観光の日もありません。ピラミッドを見るためのカイロ3日間と組み合わせれば、バランスのよい旅になります。カップルには、クリスマスや年末年始のナイル川クルーズにかなうものはそうありません。デッキでのガラディナー、日中のカルナック神殿とエドフ神殿、そして移動はすべて川任せです。信仰や歴史に関心のある旅行者や、故郷とはまったく違うエジプトのクリスマスを過ごしたい人は、1月の第1週にカイロを拠点にし、オールドカイロ、博物館、コプト正教のクリスマス・イブを軸に日々を組み立てましょう。

年末年始の旅を計画する

旅行できる日程から逆算して計画を立てましょう。学校の休みに合わせるしかないなら、旅の核となるクルーズの客室とルクソール、アスワンのホテルをできるだけ早く予約し、年末年始の割増料金は費用の一部と割り切りましょう。多少融通がきくなら、その前後の週、つまり12月10日ごろから20日ごろまでと1月2日ごろから15日ごろまでは、同じ天気をかなり安く楽しめます。

年越しをはさんだルクソールからアスワンへのナイル川クルーズ、コプト正教のクリスマスに合わせたカイロでの数日間、そして締めくくりに紅海で短い滞在を、というのが、年末年始に私たちと旅するお客様の多くが選ぶ形です。旅行されるメンバーとあわせて日程をお知らせください。まだ空きがあるもの、そしてこの季節をどこで過ごすのがいちばんよいかを、正直にお伝えします。

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